「あ、昨日あたしも変な奴に会ってさぁ!」
思い出したようにそう言って
あたしも黒板の前に立つ
「変な奴?」
「そう、飴玉男。」
「なんじゃそりゃ。」
千絵の言葉を無視してあたしもチョークを持って書き出した
「こーんなの。うちの学校に居ない?」
千絵の下手な似顔絵の隣に
あたしのかわいい似顔絵が並ぶ
黒板を見て首をかしげる千絵は少し考えた後
「さぁ…。てかやっぱ似顔絵じゃわかんないよ。」
そう言って苦笑い
「だぁよね。」
白く浮かぶ二つの下手な似顔絵を前に
あたし達は笑い合った
しばらくして
調理実習を終えたクラスメートが次々に教室に戻って来た
「さ、次の授業はさすがに受けないとね。」
バタンッッッッ!!
千絵の言葉が終わると同時に
思い切り開かれた教室の扉
あまりの勢いにクラス中に居た生徒の動きが止まった
な、何!?
息を切らして膝に手を付くように下を向いた男
「イチゴ!!!」
その男はあたしを見るなりそう言って指を指す