遠慮するあたしに飴玉男が頭を撫でて言った
「夜には終わるから。行こうよ。」
「……でも大変じゃない?」
ホームにまばらに人が居て
少し恥ずかしくなった
「大丈夫。俺、桃ちゃんと花火見たいもん♪」
正直に嬉しかった
あたしと一緒に花火を見たい
そう言ってくれた事も
「約束ね?」
「うん。」
そう言って絡めた小指も
また会える
その約束も
嬉しかった
こうやって
会う度に約束をすればいい
そうしたら会えるから
口実なんかなくても
約束を交わせばいいんだよね?
頼りないあたしの小指が
交わした約束
それだけで
あたしは幸せだった