あたしはゆっくりと起き上がって
ベッドから降りた




そしてそっと音を立てないようにソファーに近付いて




「あ…飴玉男…?」


名前を呼びかけたあたしに
代わりに聞こえて来たのは


静かな寝息だった




寝ちゃったか……



あたしは横に腰を下ろして
飴玉男の寝顔を見つめる




長いまつ毛


綺麗な首筋




少しだけ開いた唇



あたしの全てが反応する飴玉男




手を伸ばして
髪の毛に触れてみた






「………自分だって…髪の毛細いじゃない…」



サラサラと指の間を通る髪の毛から

あたしの髪の毛と同じ香りがした