「お礼にキス、して?」
「や、やだ!」
あたしは絨毯に顔を埋めた
本当は嫌じゃない
触れてくるたんびにドキドキするあたしの心臓
それを聞かれてしまうのが怖くて
真っ赤に染まった顔を見られてしまうのが恥ずかしくて
あたしは隠れるように飴玉男に背を向ける
「も、もう少ししたらするから……」
小さく
本当に小さくそう呟いた
「ぷッ。わかった。
喉渇いたね。何か持って来る♪」
パタン……
扉が閉まる音が部屋に響き渡った
少しだけ顔を上げたあたしは
一人きりになったこの部屋で
体中の熱を冷ました
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