その時
視線を感じてあたしは横を見る
「何見てんのよ。」
「ん?幸せだなぁって思って。」
頬杖をつきながら微笑む飴玉男
「何が幸せ?」
「桃ちゃんが傍に居る事が。」
そう言ってあたしの髪の毛に触れた
絡み合った視線に
あたしは慌てて目を逸らす
「べ、勉強しなさいよ!」
ドキドキがあたしを包んで体を熱くする
「俺が教えてあげよっか♪」
「教えてあげるって……わかるの?」
「こう見えて俺英才教育受けてたからね。」
再びシャーペンを手に取った飴玉男は
スラスラとあたしにわかりやすく教え始める
思ったよりもすごくわかりやすい飴玉男の説明は
あたしの頭にすんなりと入り込んで
次々と解けて行く問題集があたしの文字で埋まっていった