「あ~デート中?」


元カレは飴玉男をチラっと横目で見てそう言った




空気が張り詰めていくのがわかる



飴玉男の顔が
少しだけ歪んでいた



きっとこの人とあたしの関係を
飴玉男はわかってるんだ





「行こ、他で食べよ?」


あたしは立ち上がって飴玉男の腕を引っ張った





これ以上飴玉男を傷つけたくない



振ったのはあたしなのに
何故か上からモノを言う元カレを追い越してレジへ向かう





今まで会わなかったのが奇跡なんだ


同じ学校とは言え
学科が違うあたしと元カレは
校舎も離れていた




だからもう会う事はない


……そう思っていたのに―――…





「その女さー。」


レジを通り過ぎてお店を出ようとしたその時


後ろから再び声がして

あたしと飴玉男は足を止めた