この世は偶然が重なってる


その中で出逢う人は運命なのよ。

死んだおばあちゃんがこんな事を言ってた



じゃあこの出逢いは


運命なの?







「待って!乗りまーすッ!」


閉まりかけたバスの扉を慌てて追いかけて
乗客の視線を感じながらあたしはギリギリ乗り込んだ



はぁ、よかったぁ。


乱れる呼吸を整えてあたしは空いてる一番後ろの席に座った



ここはあたしだけの特等席




バスの窓から流れる外の景色を見るのが心地よくて
あたしはいつもこの席に座る




その時


コロコロ……


何かが車内を転がる音がして
その音がする方へ視線を向けた



ん?


飴………?