「桃ちゃん……?」



何これ……


温かい感触に
あたしは自分の頬に触れてみた





涙………?


いつの間にか溢れ落ちた涙



顔を上げたその時


あたしはストロベリーが香る大きな腕に包まれた





「ごめんね、桃ちゃん……」


「何で……あんたが謝るのよ…」


あたしが悪いのに…



勝手に勘違いして
勝手に怒って




あたしは一体
何度飴玉男を傷つければ気が済むんだろう






「ごめん……ね…?」


小さな声でそう呟いた




抱きしめられてる力が強くなって


「桃ちゃん、大好きだよ。」


いつもの優しい飴玉男の声があたしの耳に届いた





ねぇ

あたしはどこまで意地っ張りなんだろう




この腕を離す事すら出来ないのに



あたしも好きだよ。





そんな簡単な言葉が言えないんだ








飴玉男―――…



好きだよ。