あなたは遠い過去のひと。

あたしの中の思い出のひと。

もう二度と会うことのないひと。

わかってるはずなのに・・・、

「あの場所に行けば

あなたに会えるかも・・・。」とか、

そんなことばっか考えちゃう。

終わったはずの恋を

あたしはいつまで追うの?

もしかしたらあなたもまだ

あたしを想ってるかもしれない。

いい加減、こんな自惚れは捨てなきゃ。

でも、ちょっとくらい期待していたい。


ふたりでおそろいにした着信音、

あたしはまだ変えられずにいるよ。

誕生日にもらったペアリング、

机の奥に眠らせておいたら

ほんの少しだけ錆びちゃった。

あのね、髪を切ったんだよ。

君に見せてあげたい。

あの頃みたいに、

「似合うじゃん」って言ってほしい。

話したいことがたくさんあるの。

言えなかったこともたくさんあるの。

会いたい。会えない。でも、会いたい・・・。

この気持ちはどこにしまえばいい?

心の引き出しはもう君でいっぱいで、

これ以上入る隙間がないよ。

ねぇ、もう少し大人になってから

あなたと出逢いたかったな・・・。


街であなたに似た背中のひとを見つけて、

見えなくなるまでそのひとを見つめた。

ほんの一瞬だけど幸せになれた。

学校であなたと同じ癖のひとを見つけて、

胸がぎゅって苦しくなった。

目頭が熱くなって机に伏せて泣いた。

いつまであなたは

あたしの心の中にいるんだろう。

さよならなんてしたくなかったよ・・・。