20時、
私はマンションの
エレベーターを待っていた。



今日は部活の練習が
長引いて、
いつもより少しだけ遅い。



こんな日はいつも…



「よぉ万里花」

「あ、悠太。
おかえり」



悠太と帰ってくる時間が
同じになる。



「まーたエレベーター
使うのかよ。
階段上って
少しは痩せろー」

「余計なお世話」



なんて言いながら
結局私は悠太と一緒に
階段を上る。



私と悠太の部屋は
隣同士。



家族ぐるみで仲のいい
私たちの関係は
生まれたときからの
幼なじみ。



でも今は、
初めてお互い
違う学校に通い、
こうやって会えるのも
週に2、3回程度だ。