「あら、ひなちゃん!朝早いのに偉いわねぇ。」

そう声をかけてくれたのは、朝早くからジョギングを楽しんでいる近所のおばさん。
なんだかんだと世話を焼いてくれる、とても親切な人だ。

「好きでやってるんですから・・・。」

自転車のカゴに入っている十数部もの新聞をちらっと見て、私はそう答えた。

「ま、がんばってね。」
おばさんは私の背中を押して、私がこれから行くのと反対の方向に走っていった。

私も自転車のペダルを踏み、勢いよく走りだした。




配達が終わったら朝ごはんも食べずにまっすぐ学校に行く。これが私の日常。