『…っ!!』 『ごめんね…さよなら…。ありがとう。』 あたしは、結局。 お嬢でしかいられないんだ…。 『……紗波。今度はもう今までみたいには…逃がさない。』 『春…。』 あたしのことを強く抱き締めた春は、小さく震えていた。 『どうして…あたしが、今日逃げ出すってわかったの……?しかも、裏口からだなんて…。先生から呼ばれて来たん…じゃ、間に合わないよね…?』