― 1週間後。―― あたしは、結局。 何の記憶も戻らないまま、家へと返された。 この人がお母さんで、この人がお父さん。 何となく懐かしい記憶だけが、残っている程度だった。 『ただいま。』 『お帰りなさい。』 『ごめんなさい…。』 『どうしたの?』 あたしは…これから、どうしていけばいいの? 自分の名前しか知らないあたし…。 覚えてるものが、何もないあたし…。