―― 廊下。――― ギリギリまで、教室に行くのはやめよう…。 あたしは、廊下をゆっくりと歩いた。 廊下の窓の外には、青空が広がっている。 『……。』 目の前に春を見つけ、あたしは春に背を向け、逆の方向に歩き出した。 『紗波…。』 聞こえない…。 何も…聞こえない。 『紗波!』 春の触れた肩に、あたしは痛みが走った。 『っ…!は…離して。』