どちらも強い…。 あたしは本物のサッカーに、圧倒させられていた。 ボールをとっては攻め、とられては守り、そんな春はいつもよりも、もっと輝いていた。 ピピーーー♪ 笛が吹かれ、ピッチには春が足をおさえて、倒れ込んでいる。 サポーターは、ざわついている。 春……。 『シューーーン!!!!!!!』 気がつくと、あたしは春の名前を、大声で呼んでいた。