大学に進む安全策を棄てた慶の未来が、本当にいいことだったのかは誰にもわからない。 ただ、今の慶はきっと両親から見て、今まででは一番、輝きを放ってるんだと思う。 ―― 11月。――― 寒い季節がまた、この街へとやってきた。 『久しぶり♪』 『そうでもないじゃん(笑)』 那奈・葵・香奈・楓だ。 『あ!幸人くんは大学行って、彼女出来た?』 『いや、全然(笑)』