「勿論行きたい!」
私は満面の笑顔で返事を返した。
「それじゃ、俺着替えてくるから校門のところでちょっと待っててくれよ」
「うん、分かった」
そう言って真治は部室の方へ駆けて行った。
初めて訪ねる真治の家は私の所とは比べ物にならないくらい大きなお屋敷で、真治のお父さんは建築会社の社長さんだった。
それに比べたら大工をしていた私の父親はお酒ばっかり飲んで暴力は振るうし、おまけにギャンブル好きでどうしようもない父親だった。
だから私の母親は苦労の連続で、父親と結婚した当初から働き詰めだった。
そんな働き者の母親に支えられて、私は何とかここまで生きて来れたのでした。
「ただいま」
真治が玄関のドアを開けると
「お帰りなさい」
お母さんが優しく出迎えてくれた。
「お母さん紹介するよ。クラスメイトで俺の彼女の幸代さんだよ」
「初めまして、河原幸代と申します」
私は身体の大きな真治の後ろから、恥ずかしげに挨拶をした。