授業が終わった昼休みの時間に、私はダメモトで真治に携帯のアドレス交換をお願いしてみた。

すると真治から

「いいよ」

あっさりと返事が帰って来ました。

私はあまりに物事が上手く運ぶので、これは夢ではないかと頬っぺたを抓ったぐらいでした。

でも、私の頬には痛みを感じ、これは紛れも無い現実でした。

男子とメルアド交換をしたのは勿論真治が初めてでした。

ちょっと気が早いかもしれないけれど、私にもやっと春が来たという感じでした。

その日以来、私と真治は一日に一回はメールのやり取りをしました。

それは「おはよう」とか「おやすみなさい」みたいなたわいもない内容だったけれど、私には真治からのメールが嬉しくてなりませんでした。

学校では隣の席に座っている二人だから、毎日メール交換をしなくてもいいようなものでしたが、私には真治と繋がっているという特別な意味があったのです。


(つづく…)