私の名前は河原幸代。
何処にでもいるような未来を夢見る15歳の女の子。
私の夢は建築デザイナーになること。
そして、将来大好きな人が出来たら、その人と暮らす家を設計するのが私の夢。
15歳の春、私はそんな漠然とした人生の設計をしていた。
ところが、その年の春に大好きな人が現れるのだった。
彼の名前は中山真治。
私と同じ高校の建築科に通う15歳の男の子。
彼は私と違って身長が高く、イケメンで頭も良くスポーツも万能、真面目で優しいもう完璧な男子だった。
だから、見た目も普通で勉強も普通な私にとって真治は憧れの存在だった。
そんな高嶺の花の真治だったけど、私は彼に出会えただけで幸せでした。
その当時私の両親は離婚調停中で、父は既に家を出ていました。
私は真治の事を考えるだけで、日々の辛い事や嫌な事を全部忘れる事が出来た。
そして、何より私はこんなにもトキメキを感じたのは初めてでした。
真治はまさに私の初恋の人だったのです。
(つづく…)