「あらまぁ、真治に彼女がいたなんて母さん初耳だわ。幸代さん、うちの真治の事よろしくね」

真治のお母さんはとても優しそうな女性で、初対面の私を彼女として認めてくれて来訪を歓迎してくれた。

「こちらこそ、よろしくお願いします


私はぺこりと頭を下げた。


真治の部屋は2階にあり、広さは12畳はあった。

室内は綺麗に整頓されていて真治が好きなロナウジーニョのポスターや安藤忠雄作品の写真等が壁に貼られてあった。

「幸代はMr.Children好きかな?」

「詳しくは知らないけど、何曲か歌えるよ」

「そうなんだ、俺は日本のア−ティストの中でも1番好きなんだ」

そう言って真治はMr.ChildrenのCDをプレイヤーにセットした。

「俺はこの曲が大好きなんだ」

ステレオから流れてきたのは「しるし」と言う曲だった。

「この曲なら私も知ってるわ」

「ちょっぴり悲しい歌だけど、俺何故かこの歌が好きなんだ…」

真治と私はステレオから聞こえてくる「しるし」に耳を傾けた。