その頃、キースが率いる第一騎士団の先鋭たちは生き残り逃げた山賊を探して緑深い山の中を移動していた。



「キース騎士団長、どうかしたのですか?」



カイナンが馬を寄せた。



「あぁ 逃げた山賊に見覚えがあったんだ」



「そうなんですか?今回の山賊は初めての討伐なんですけど……以前逃げた山賊なんですかね」



またしても逃げるとは、などとカイナンの顔が渋くなる。



「違う、あの男……クリスを切った奴だ」


暗がりだったが顔は忘れない。



記憶力が人並み以上に優れているキースだ。



その後の騎士の報告で逃げたのは5人、生き残った山賊から聞き出した。



「奴らはひどいケガを追っています 当分は何もできないでしょう」



カイナンの言葉にキースは頷いた。



「本当ならば今のうちに壊滅させておいた方がいいのだが……」



城にいるクリスが気になっているキースは城へ戻る旨を伝えるようカイナンに告げた。



会わなくなって……もう2週間か……。