「それではクリス様、「わたくし」とおっしゃっていただけるのならキース様の事をお話ししましょう」



意地でもクリスに「わたくし」と言わせたいリリアだ。



「えっ!????」



クリスはイスから飛び上るほど驚きを見せた。



「出来ましたらお話いたしますわ」



目の前の美しい顔がだんだんと不機嫌な顔になっていく。



「……」



キースが気になっているクリスは心の中で葛藤した。



「クリス様?」



「わ、わかった……わ、わ……わた……わたくし//////」



恥ずかしくて顔はもとより耳まで真っ赤になる。



「良くできましたわ それではお教えいたします キース様は山賊の討伐に出かけています」



「山賊?」



クリスの眉間にしわが寄る。



年に何回かクリスの住んでいた小屋に山賊が現れたのを思い出した。



俺を隠れさせ、爺さんが一人でやっつけていたな……。



「はい 時々山賊の討伐が行われます」