キースとルーファスが部屋に入って来た。


「時間は短めにお願いします」



ガラムに言われてルーファスが頷く。



「娘、この方はこの国の国王ルーファス陛下です」



イレーヌが教えると目を閉じていたクリスの目が開いた。



クリスは国王陛下と聞いて驚いた。



青い瞳は銀色の髪に整った顔から、赤毛の怪我の原因を作ったキースに移った。



2人とも背か高く、見事に均整の取れた体躯をしている。



寝台に横になっているせいか、自分が酷く小さく不利に思えて起き上がろうと真っ白なシーツに手を着いた。



「バカっ!起き上がるな!」



キースがクリスの肩を抑えると、力なくシーツの上に倒れる。



「お前、名をなんと言う?」


ルーファスが口を開く。


「俺の名前はクリス」



可愛い顔をしたクリスが俺と言ったので、ルーファスとガラムは噴出し、イレーヌは苦虫を噛み潰したような顔になった。



何がおかしいんだ?



噴出す理由がわからないクリスは眉を寄せた。