「俺……を……はな……せ……」


「城に侵入した罪は重いぞ？斬首刑になるかもな」


クリスの身体の上に座った騎士は意地悪な笑みを浮かべ言った。


意識が薄れて行くのをクリスは下唇を噛んで正気を保つ。


「……くっ……」


キースは庭の大きな木のすぐ側にいる２人を見つけた。


近づくにつれて見覚えのある外套が目に入る。


うずくまった上に腰掛けている騎士にキースは叫んだ。


「くそ！お前っ！どけ！」


「えっ！？」


隊長のキースに叫ばれて慌てて騎士は立ち上がった。


重さがなくなったクリスは朦朧とした意識で立ち上がろうとしたが動けない。


小さな体はうずくまったままだ。


キースは駆け付けると、うずくまるクリスの外套に手をかけ、フードを外した。


その拍子にふわっと流れるようなストロベリーブロンドの髪が現れる。


ルーファスとその場にいた騎士たちは、突然現れた鮮やかなストロベリーブロンドの髪にあ然となった。