「つまり俺たちが戦って双方の評判を傷つけたくないってわけだ」


キースが説明する。


「もうっ!そんな事はやめて」



今まで黙って聞いていた沙羅が口を開く。



「姫さん」



「2人が戦っているところなんてわたしも見たくないの ロイ、あきらめてね」



沙羅がしかめっつらをしてロイに言う。



「……はい かあ様」



そんな2人を見てルーファスは苦笑いを浮かべた。



沙羅は身近な者が傷つくのを酷く恐れている。



「ねぇ?キース 食事の後少し時間ある?話があるの」



「姫さんが俺に話?今ここではだめなんですか?」



キースは不思議そうな顔をしている。



「ロイの前で言いたくないの」



その言葉で沙羅が言いたい事を悟る。



キースは重いため息を吐き、新鮮なジュースを飲んだ。