「今日は陛下の都合を見て、俺と陛下の模範試合って言うのはどうかな?」



「わあっ!父上とキースの戦いが見られるのっ!?」



思いがけない提案にロイの目が輝く。



「陛下の都合しだいだけどな」



「うん うん 朝食の時に聞いてみようよ」



ロイはキースの手を引っ張って先を急いだ。



§ § § § § §



「模範試合?」


ルーファスのフォークを持つ手が止まる。


「はい 父様 キースと戦っているところを見たいんです」


ロイが身を乗り出してねだる。


「キースとではどちらが勝っても騎士たちの士気(しき)が弱まるのではないか?」


「どうしてですか?」


「私が勝った場合、キースが騎士たちの信頼を落とすだろうし、キースが勝った場合、俺は弱い王だと思われるだろう?」


「ん~ なんだか分かりません」


ロイが首を傾げる。