沙羅に付き添われて、クリスタル神殿へ向かう足取りは重かった。



いいのか?いいのか?俺……知らない奴と結婚なんて出来るのか……?



クリスタル神殿のとてつもなく大きな扉は開かれていた。



入り口の前に立つとあまりの眩しさに眩暈がする。



俺の足は床に張り付いたように前へ進めない。



ここから先……向こう側には知らない奴がいる……。



「クリスちゃん……?どうしたの?」



クリスの様子に沙羅も立ち止まる。



「お……俺……」



「どうしたの?」



「俺っ!知らない奴となんか結婚できない!」



身をひるがえしてその場から逃げだそうとした。



「おっと!」



身をひるがえした途端に、肩を掴まれる。



「また逃げ出そうとするとは、いい度胸じゃないか?」



楽しげな声のキースが立っていた。