クリスは湯殿へ向かわされ、数人の侍女たちに身体を痛いほど磨かれた。



そして、ストロベリーピンクの長い髪は美しく結い上げられ、キラキラと輝くティアラを乗せられる。



「美しいですわ クリスティアナ様」



リリアがうっとりとした表情で褒める。



そして美しい純白のドレスを数人がかりで着せられると、更にリリアは満足のいく顔になった。



「お相手の殿方はきっと喜びますわ」



喜んでもらいたくないさ。



そう思ってガクッと肩を落とす。



リリアの言葉にどうしても素直になれない自分が嫌になった。



ドアが賑やかになった。



顔を向けると薄紫色のドレスを着た沙羅が入ってきたのだ。



瞳の色と、ドレスの色がとてもよく似合っている。



「クリスちゃん!とってもきれい!」



そう言うと沙羅はクリスの身体をそっと抱きしめた。