俺とキースは出来るだけ木の実を採った。



木の実の近くに熟れた山桃があった。



それもたくさん採って麻袋に入れると、俺たちは湧水に向かった。



月明かりだけだったけど、満月で外はいつもよりも明るかった。



5メートルほどの円形の湧水の池を見るとキースはヒューッと口笛を吹いた。



「きれいな所だな」



「ああ 生き物もいないから安心して入れるよ」



いつも見る湧水の池はなんだか幻想的に美しく見えた。



満月の月明かりで水面がキラキラ光っている。



「先にキースが入って来てよ」



キースから剣をもらおうと手を差し出す。



「俺が先?」



「ほら、まだ獣が出そうもないだろ?だから先に入って来ていいよ」



そう言うと剣をひったくるようにしてキースの手から取り、くるっと背を向けた。