§ § § § § §




クリスはぼんやりと意識を戻した。



俺……?



ハッとして身体を起こすと、俺の腰を抱えるようなキースが倒れていた。



「キース!キース!」



クリスは名前を呼び、キースの身体を揺する。



どこかケガをしていないか頭や腕に触れる。



キースの胸に耳をつけて音を確かめる。



良かった……生きている。



どうして俺はケガひとつないんだ?



自分の身体はどこも痛くない。



あんなに高い所なんだぞ?



俺は切り立つ絶壁を仰ぎ見た。