「どうかしたのか?」


「フフッ お客さんみたいな客は初めてよ?退屈しなさそうだからあっちへは行かないわ」



その時、赤毛の男と女が立った。



「あら、アリサとお楽しみかしら」


イザベラがにっこり笑っていう。


「おたのしみ……?」


俺はわからないと言った風に首を傾げた。


また分からない言葉だ。


「まあ、お楽しみも知らないのね どう?今晩あたしと楽しまない?」


女の指が俺の唇に伸びる。


女の指が唇に触れた瞬間、はじかれたようにテーブルから飛びのく。