「……陛下の言った通りだったんだな」
途方に暮れた子供のような表情のクリスが頷く。
「爺さんの仲間が……殺した……今まで話してくれなかった……でも、でも……爺さんを……憎めないんだ……」
クリスの大きな目から再び涙がポロポロこぼれ始める。
キースは胸にクリスを引き寄せて抱きしめた。
「……それでいいんじゃないか?お前は爺さんに助けられたんだ そうでなければ殺されていただろうし、仲間を裏切ってまでお前を守ったんだ 憎もうと思っても憎み切れるものじゃない お前を愛していたんだと思う」
「爺さん……」
クリスの背をゆっくり撫でながら部屋に目をやると眉をひそめた。
「おい、荒らされているじゃないか!」
今になって気づくとは、キースは舌打ちした。