「翼ーっ!」



ベンチから
誰にも負けないくらい
大きな声が聞こえた。



記録員として
ベンチ入りしている、
マネージャー。



瑠衣だ。



俺は瑠衣を真っ直ぐ見た。



すると瑠衣は
トントンっと
自分の胸を軽く
叩いて見せた。



“気持ちで負けんなよ”



俺もトントンっと
軽く胸を叩いた。



“負けねぇよ”



お前に
約束しちまったからな。



日本の頂点、
見せてやるって。