「本当に……?」 つーちゃんって、 何なの。 私だけ、一喜一憂して、 壊れてしまいそうだ。 私を見る亮さんの表情は暖かかった。 「良かったな」 「私、どうしよう。 緊張して、きっと今日はうまく弾けない。」 つーちゃんが目の前に座っていて、 私が普通に弾いていられる訳がない。 「大丈夫、 《エマ》らしい演奏を あいつは聴きにくるんだから。」 彼は私の頭をくしゃっと撫でて、 店の裏方に消えていった。