「何のつもりだ」



「…昔の憎しみがね、今に繋がってさ。俺ね、頑張ったんだよ」



話が噛み合っていない。
何の話をしてるんだ、こいつは。



「俺の彼女……覚えてる?」



「……間橋由紀のことか」



龍平の彼女、間橋由紀が高校1年の冬、自殺した。

何が原因か。
それは、俺だった。



『私…笹河君のこと好きっ』


『…龍平は?』


『別れる…だから…付き合ってください』



『興味ない』



『や、待って。私ね』



『あんたもあいつらと一緒だな……』



そう言った直後、間橋は屋上へと走って飛び降りた。


『…あぁ。俺が悪いわけじゃない』


心の奥深くに押し込んだ過去が、一気に溢れた。



「……ずっと、俺を探してたのか…ヤクザになってまで」


「あぁ、見えちゃった?」



そう言って、ワイシャツを少し引っ張って…入れ墨を見せた。