…あぁ、やりたくねぇな。面倒だっつーの。

顔に出てしまったのか、千波は俺を睨んできた。

わかってる。
やればいいんだろ、やれば!


「笹河さんは何を言うんだっけ?」



「彼女かわいーね」



「ちょっと!真剣にやってよ!」



「彼女かっわいいね!」



「そう、その調子!」



あー、しんどい。
早く空に会いたいのに。


俺達は、空の学校の校門で確認を始めた。


「やだ、離してよ」


「いいじゃん、俺とデートしよう」


「やだっ、誰か助けて」



…で、いいんだよな。
よし。満足したみたいだな。


あとは、早く男が現れたら…。


「お、来たぞ」



「無理、死ぬ」



ちょっと太ってるだけなのに。
やっぱ、『男は顔じゃない』は嘘だよな。