言い終わらないうちに、奴は俺の腕をつかんで、骨を折る準備をしていた。



「顔って何よ!」



「わ、悪い。冗談だよ」



「ちゃんと聞いてよ!あのね、お客さんの中にね、刑事がいるって話なの」



それで?

刑事もオカマが好きなら、別に…。



「あんたを逮捕しようとしてんのよ」



「…は?」



逮捕?

俺が?

何でまた…そんなこと。



「あんた、最近大暴れしてきたでしょ?大塚組っていうとこ」



大塚組…。

あぁ、俺のシマで麻薬の売買やってたし。


目障りだったしな。



「で、その刑事があんたを知ってるみたいで…拳銃を持ってるんじゃないかって疑ってるみたい」



ちらっと窓から外を見てみた。