千波を見て、少しわかった。

どんなに好きだと言っても、それ以上を求めて、新しいものに触れたくなる。


不満があってもなくても。



「きゃっ!」



「あーあ…」



ジュースをこぼした千波。

新しいタオルを渡すと、泣きそうに制服を拭いていた。



「目の前のオカマバー行って、頼んでこいよ。すぐに制服乾かしてくれるぞ」


「お、オカマバー?」



最近やってきた、ごっついオカマが開いた店。


揉め事があれば、すぐに行くけど…あまり意味がない。

オカマ達…いや、女には見えない奴らが客を囲んで脅しているからだ。


俺も行きたくはない。
それでも仕事だからと諦めて行く。