さっきまで自問自答をしていた俺の頭の中は、背中の痛みで何を考えていたか忘れてしまった。



「でねっ、でねっ!」



「わーかったから。ほら、組行くぞ」



「じゃあ、お祝いしよっ」



「あのなー」



「笹河さんも嬉しいでしょっ。ずっと笑ってるし」



…は?
笑っ…てる?



「ほーら。ニコニコしてるっ」



鏡を渡されて、見てみると確かに嬉しそうに笑う俺がいる。



「さぁ!ケーキを!」



「わかったから…ほら、離れろ」



背中に抱き着いてくる千波を剥がすと、千波は俺の腕を引っ張った。



「ケーキ!ケーキ!」



「はいはい…」


まったく。

こいつのおかげで、寂しさを消せそうだ。