「…笹河さん」



「俺も…望まれて産まれたかった」



美月は自分の子供ように、優しく、厳しく育ててくれた。

いつも…ずっと…。



「美月さんは、笹河さんのこと自分の息子だって言ってたよ。血は繋がってないけど…家族だって」



「あぁ…」



「きっと、本当のお母さんも望んでたよ。だって、望まれてなかったら、笹河さん産まれてないよ?」



俺の手を強く握って、微笑んだ。


被害者ぶってたのは俺だけだ。


望まれなかったら、俺はここにいないんだ…。