部屋に入って、すぐにベッドに寝転がると千波が背中を叩いてきた。



「笹河さん、ご飯食べよ」



「んー…」



「明日は結婚式なんだから。体力つけて全力で蒼空を祝福しなきゃでしょ?」



そりゃ、そうだけどよ…。



「そんな険しい顔して祝えるの?」



千波は、俺の頭を左手で撫でながら、右手は腹を撫でる。


俺も無意識に千波の腹を摩っていた。


耳を当てれば、命の音が聞こえる。


ドクン。


ドクン。



それが子守唄のようで、心地好かった。