「しばらく旅行できないじゃん…。ここに来るのだって、本当は無理だったかもしれないのに」



まぁ、どんどん大きくなっていくしな。




「それに、蒼空の結婚式…この目でちゃんと見たいもん」




ここに来た用事とは、蒼空の結婚式の為。

最後まで悩んでいた俺だが、千波がどうしても行くと言って家族を困らせていた。


たった一人で、しかも妊婦が海外に行くだなんて危ないということで、俺も行くことになった。


本当は自分から進んで行くと言えればよかったんだけどな。



「ねぇ、笹河さん。赤ちゃん産まれたらいっぱい遊んであげてね」



「当たり前だろ」



ホテルに着くと、急いで降りていく千波。

そして、部屋に案内されると荷物をぶん投げて俺の腕をつかんだ。



「は?」



「買い物!ほらっ」



今にも走り出そうとする千波を呆れながら、ついていった。