本当にお世辞抜きで。

うまかった。


こいつらとは、もう会えないかもしれない。

数ヶ月の教師生活は、長いようで短かった。



「ねぇ、先生…泣いてんの?」



「ばっ、泣いてねぇ!」



「泣いてるよぉ、可愛いー」



「俺の胸で泣くー?」



馬鹿やって、喧嘩して、怒られて、どんどん成長していくこいつらを俺はちゃんと見届けたかった。


卒業まで、見ていたかった。



「先生、最後まで楽しもうねっ」



相澤が俺の肩を叩きながら言った。


そういえば、相澤は専門学校に行くらしい。


料理人になりたいって言い出して親と争っていたが、俺が1ヶ月説得すれば納得してくれた。


結婚の話は、嘘だったらしい。


何事にも興味がなかった相澤を脅す為に使っていたそうだ。