間違いだけは起こしたくない。

組長が早く寝てくれるのを待とう。



「組長、おやすみなさい」



「おやすみな…さい」



組長と手を繋いで横になった。


ニコッと笑って、寝たかと思ったが…。


猫のように擦り寄ってくる。
俺の我慢強さを試しているのだろうか…。


だが、俺はそんなに意思の弱い野郎じゃない。



「笹河さん…」



上目遣いされようが、擦り寄られようが、何されようが…負けない。


負けて…たまるか!



「大好きぃ」



俺も大好きですが、それは組長として。


組長も組員として好きってことだろう。


組長が寝るまで、俺は必死に堪えた。