これ以上、何言っても何やっても無駄だと思い、阿波達から離れて、組長の元に戻った。


組長も相変わらず酔っ払っている。



「紀一、先に寝てろ」



「いや、慶こそ寝ろよ」



「寝るわけにはいかねぇ」



組長が寝てからじゃないと安心できない。

この馬鹿達はどうでもいいけどな。



「組長、寝ましょう」



「寝ません」



「寝てください」



「笹河さんと一緒に寝ます」



酔っ払うとこんなに我が儘になるのか。

しかも、睨んでくる。


性格まで変えてしまうのか。


仕方ない。

俺は、組長を抱き抱えて寝室に向かった。


どうかっ、どうか何事もなく朝を迎えたい。