誰だ、こいつ。

この金髪野郎、猫みたいに丸まって寝てる。



「…そらぁ…」



ドキッとした。

『そら』ってこの世に何百、何千といるんだ。



「…」



でも。

疑っているんだ。


こいつ、外人みたいだし…もしかして、蒼空の旦那…?って。


もう関係ないのに。
気になる。


後ずさりして、壁に寄り掛かった。


笑えてくる。

いつまでも、目の前の現実から逃げる俺は馬鹿すぎて。


笑える。


男と蒼空がどうなろうと俺にはもう関係ないのに。



俺は…。



「慶ちゃん、オムライスで…どしたの?」



相澤は俺の頭を優しく撫でて、持ってきたオムライスをテーブルに置いた。


男に気づくと溜息をついた。



「またいるのー?」



男は起きようとしない。