それから、母親が帰ってきて説明をするとやはり笑顔で千波に抱き着いた。

家族がひとつになった瞬間。


俺は静かに家を出た。

あの家族なら、きっと大丈夫だろう。


…俺も子供欲しいな…なんて思うくらい、あの家族が羨ましかった。


なんて、そんなこともう叶わないな。


空と組長がいつか結婚するだろう、その子供と遊ぼう。千波の子供も。



…あー、組長に会いたくなった。



俺は家へと向かった。


早く、早く会いたい。


何か…抱きしめたいというか、だ、だ…抱きしめてほしいっていうか。