不安だ。

組長…帰ってきて。



「ただいま…って、紀一さーん?笹河さーん?」



組長が帰ってきた!

俺は急いで玄関に向かった。


組長、組長、組長!



「あ、笹河さん…風邪、大丈夫なんですか?」



ニコッと笑ったもんだから…可愛いだろ。


俺は、一気に力が抜けて組長に抱き着いてしまった。



「よかった…よかった…」



帰ってこないかと思った。

怖かった。



「笹河さん?」



「組長…誰と会っていたんですか?」



「伯母に会っていたんです」



伯母?



「よく面倒見てくれた人で…」