「よかったぁ」



ニコニコしながら隣に座って俺を見つめていた。


食べ終わると、風邪薬と熱さまシートを持ってきてくれた。



「組長、風邪移るといけないんで…」



そろそろ…と言おうとしたのに、組長は何を勘違いしたのか。


マスクを俺に渡して、そして組長もマスクをした。



「あの…」



「これで移りませんねっ」



組長…。

俺は、風邪が移るといけないからもう部屋を出たほうが…と言うつもりだった。



「さぁ、ゆっくり眠ってくださいね」



頭を撫でられた。


…え、まさか俺が寝るのにずっとここにいるつもりですか?


寝たフリをして、組長がどう動くか薄目で見ていた。



「笹河さん…」



天使だ、これは。