鍵をかけて、組長に近づくと、起きていたみたいだった。



「ん…笹河さん」



「組長、大丈夫ですか?」



「はい。何だか、スッキリしてますし」



組長の笑顔を見たら、ホッとした。

頬に触れると、組長はまたニコッと笑った。



「ゆっくり休んでくださいね」



「朝になったら、お参りに行きたいです」



「じゃあ、今は眠ってください。もう1時になりましたし…」



「はい、すみませんでした」



俺は組長の頭を撫でて、電気を消した。

部屋を出るとき、振り返って組長を見た。


ゆっくり…眠っていてください。



静かにリビングに戻っていくと、またあの医者が俺に近づいてくる。